会長挨拶
日本危険物コンテナ協会は、1998年に、危険物の安全で円滑な物流の実現に寄与することを目的に、危険物の物流に携わる企業、車両メーカー、コンテナの国際輸送にかかわる団体等を構成メンバーとして設立されました。
翻ってコンテナの歴史を振り返ってみますと、20世紀初頭にアメリカの鉄道輸送にコンテナが使われたのがコンテナの実用化の始まりと言われており、その後1960年代半ばになってアメリカの東海岸と北ヨーロッパの間に定期航路が開設され、海陸一貫輸送が始まりました。コンテナの大きさなどがまちまちだったものの規格化の進展などにより、それまでの在来船と比較し、荷役の大幅なスピードアップが可能となり、いわゆるコンテナリゼーションの時代が到来し、コンテナ輸送は世界の物流手段として大きく拡大し、それに伴い化学品などの危険品の国際輸送も増加の一途を辿っています。
化学品等の危険物は高度化する現代社会には欠かすことができないものですが、危険物であるがゆえに取扱いには十分な安全対策が求められます。当協会は、このような認識の下、危険物の安全かつ円滑な輸送の実現に向け、①国連の危険物輸送規則等の国際的規制についての現状及び改正に向けた動き等の情報の収集及び周知②国際的規制と消防法や毒劇法などの国内危険物規則との整合性確保の必要性のアピール③国際、国内の危険物関連規則や安全対策に関する研修・教育など、さまざまな取り組みを行ってきました。
経済のグローバル化が恐ろしいまでのスピードで進む中、増加する危険物の輸送需要に応え、更なるその安全で円滑な輸送を実現するためには、輸送する危険物の分類や輸送方法、輸送規格、輸送モードなどの統一、そして輸送に携わる人間の安全意識・能力の向上などが一層重要なものとなってきています。当協会はこのような流れを踏まえ、設立の趣旨、目的に沿って今後も活動を続けていく所存でありますので、会員各位の更なるご尽力、ご協力、ご支援を賜りますようお願いして、ご挨拶とさせて頂きます。
会長 大森 寿明